もうすぐ支援会議を目の前に僕の担当の教官と詰めの面談をした。
『ざっくりA型へは行けそうですか?』
この何日か、周りの支援者に聴いて回ったが、誰もA型へ行くことをイエスと言った者はいない。
『皆さんの意見を素に決めます。』
『・・・要するにまだって事ですか?』
『御自分でお考え下さい。』
僕の担当の教官はこの自立訓練施設の事実上トップだ。上に立つ人間だけにやたらと厳しい。
『それよりあと数ヶ月で退所です。住居の確保を考えてますか?かなりの間、職についてないから、一般の賃貸はハードルが高いです。公営住居をオススメします。しかし身内が奥様だけとなると、保証人を奥様になってもらわないと・・・』
『冗談じゃない!!』
僕は怒りを顕にした。あの鬼嫁の世話になるならば何の為にここへ入所したのか?わからなくなる。僕にとってここは言わば隠れ蓑だ。
『とりあえず、今度の支援会議で皆さんの意見を伺いましょう。』
『教官はいつも目の前の事を片付けていけば未来へ繋がると言いますが、事前に未来の事を考えて置かなければ・・・』
『それが貴方の未熟な面です。』
『はぁ~。』
キツイメイクがやけに似合う担当の教官はそう言うと席を立った。
部屋へ戻り、今日の面談で今度の支援会議のおおよその結果が見えたので、灼けを起こさずにはいられなかった。
(酒の代わりに甘い物でも食べるか?)
何故か喫煙は許可されてるが、飲酒はご法度だ。ちなみに僕はとうの昔にタバコは止めた。
(こんな時、ストレス解消に吸ってたらなぁ~)
辺りは既に暗くなり、テーブルにあたる蛍光灯の光が明るかった。